CS回答者の感想

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 コメントサービス(CS)に参加しまして
色々と考えさせられることが多かったように感じます。
日頃CSについて感じていることを書かせていただきます。

 医療とは医学という不確実性をかなり含む科学を利用して
疾患の治癒改善もしくは症状の軽減を目指す
サービスの一種と考えています。

 医学的に経過、治療に説明でき
(当時は正しい医療行為でも後世には正しくなくなることも
医療ではしばしばありますので、あくまでその時点で、
時にその医師の経験であり、時にEBMを基準として)
その経過が良ければベストですが、良くなくても
患者さんもしくはそのご家族がその経過、結果に納得してくだされば、
医療としては合格点と考えています。

 コメントサービスに相談される、事例の多くは
経過、結果、説明に納得いかないケースと理解しています。
たとえ医学的には正しくても
医療サービスとしては不十分だったんだと思います。

 CSを拝見していますと医療行為そのものの不備も目立ちますが
痛感しますのは説明不足です。
 私自身もあまり説明は上手な方ではないのでCSを拝見する度に
もっと解り易く説明しないといけないと自戒しています。

 さてCSへの申し込みを書かれるに当たって
何点か留意して頂きたい点がありますので、
以下に述べさせて頂きます。

1.時間経過がなるべく、いき戻りしない。

   時間経過が前後しますと病態が把握しにくいですので、
  なるべく、時系列が整理されているとコメントし易くなります。
  検査結果も経過に含めて記載されいると判断の一助となります。

2.質問事項が箇条書きになっていますと、コメントし易くなります。

   質問が箇条書きに整理されていますと、自分が回答できる範囲の
  質問に速やかに答えられますので、コメントし易いと思います。
  逆に全体の経過そのものが適正かどうかの判断を求められると
  コメントしにくくなります。
   本当は経過と結果について断定的な意見が期待されていると思いますが
  医療自体はかなり不確実性の部分が大きいですので、
  全体から一度、部分に細分化して、著しく妥当性に欠ける部分を
  見つけていく方が(見つからない事もありますが)
  結論に到達するのが早いと考えます。

3.どの時点の診断、治療に疑問を持っているのか書かれていますと、
  コメントし易くなります。

4.循環器専門医等専門を指定されると、却ってコメントしにくくなります。

   私は長年循環器、呼吸器、脳血管障害を中心に内科救急に携わってきて
  現在内科で開業していますが、循環器学会専門医は取得していません。
  循環器専門医の先生にお願いしますと書かれますと、コメントを
  つけるのはためらわれます。
   また救急医、循環器医の視点からですと麻酔科領域でもコメント可能な
  こともありますが、麻酔医の先生にお願いしますと書かれていますと、
  麻酔経験は1年未満ですので、コメントをつけるのに心理的に
  抵抗が有ります。

5.医師に質問しているのか、弁護士に質問しているのかは
  はっきり別れている方が、コメントし易いと思います。

 例えば

 A) 呼吸は苦しそうだったが、意識ははっきりしていたのに
  入院7日目に突然亡くなり医師から急性心不全ですと言われ、
  カルテ上データは○○○でしたが、納得できません。
  医療訴訟を考えていますが、如何でしょうか。
   宜しくお願いします。

 B) 呼吸は苦しそうだったが、意識ははっきりしていたのに
  入院7日目に突然亡くなり医師から急性心不全ですと
  言われ、カルテ上データは○○○でした。
  1.診断に問題はないでしょうか。
  2.治療経過に問題はないでしょうか
  3.死亡は防げなかったものでしょうか
  4.訴訟を考えていますが、手続きはどうすれば良いでしょうか
 以上宜しくお願いします。

A) ですと、余程目に余る診断、治療がなされていない限り
     コメントはし難いと思います。
B) ですと、4は弁護士はコメントし易いと考えますし、
  少なくとも1,2については医師はコメントし易く
  3については医師もコメントし難いですが
  3のコメントのニュアンスで訴訟の可能性の見通しがつくと
     考えます。

  次に、私がCSにコメントするときに留意していることを述べさせていただきます。

1. 診断時点それまでのデータを基に考えること。

  診断治療は結果が分かっていますと圧倒的に有利です。
  たとえば麻疹(はしか)は典型的な皮疹が出て数日後でしたら
  素人でも診断がつきますが、発熱、風邪症状のみの初診で
  まだ粘膜疹も出ていない時は診断は困難です。
   救急の診療では特に結果から類推すると診断は容易な事が
  しばしばありますが、診断材料が揃っていない段階での
  診断、予後予測は困難です。
  結果から類推して「ああすべきだった」「これはおかしい」
  という判断はあくまで結果論ですので正しい判断ではないと
  考えています。あくまで結果がわからないその時点での判断を
  心がけています。

2. なるべくスタンダードを意識すること。

   最終的には自分がデータ、経過を考えてどう判断したかとの
  コメントになってしまいますが、その前にUptodate、EBM、
  Harrison online等のその疾患のスタンダードと考えられる
  診断、治療は再度チェックしています。
   結果的にはCSにコメントを書くとき私自身も再度勉強する機会を
  頂いていると考えています。

 私が好きな韓非子に、説難という章がありますが、
情報量もベースとなる知識量も考え方も異なる人に
限られた時間で説明する難しさを、CS に参加しまして
改めて痛感しました。

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