webzine 医療改善のために
第3号(2001年12月9日発行)
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<医療被害から考えること>

MIネットに期待すること  

古館 文章(医療被害者家族)
(2001.12.2)  

 何事にも前向きで、小さい時から丈夫で、とても頑張りやだったその大切な娘を、まさか病院で亡くすとは思ってもみませんでした。

 直後、私もこの病院の異常さを直感し、その後の行動等で多くの被害に遭われた方と知り合うことになったのですが、この悲しい出来事を断ち切るのは、やはりもう一方の、医療者側の方々にも問題点を聞くことが必要だと思っていたのですが、幸いなことに在る方からMIネットには医療改善を願う医療者を始め、多くの方々がその趣意に賛同し集まっていると聞き、それではと私も入会させて頂きました。

 しかし、その後のメールのやり取りを見ていると、どうも私の感じていることとの違和感を覚え、「医療者とのギャップが大きいようで」と投稿したところ、永井さんの途中集計で50件とあるように、多くの皆様方に論議を頂き、私自身も多々勉強させて頂いたことは、MIネットならではと感謝しています。

 しかし、本当に被害者となり、その後もさらに受ける病院側の信じられない対応、過誤が有っても、その殆どの方が裁判に持ち込むとさえも難しい状況、よしんば裁判に持ち込んでも、医学論争と乖離した法廷闘争、他にも数限りなく有りますが、このようなことがMIネットの会員の方でさえ、全員が周知しているとは思えません、ですから被害者側からの問題提起が医療の改善をする上にも、ある部分において必要であると感じられます。

医療改善を目指している、善良で優秀なMIネットの医療従事者の方には信じられないかもしれませんし、また信じたくないかもしれませんが、余りにも酷いことが行われているのも事実だと思います。

 通常医療ミスというと、ヒヤリハットとか、つい誤って、等と、医療を一生懸命行っている中での1つの過失によるものと思われるようですが、実際には信じられないような故意犯のようなものが有るのが事実のようです。

 それが闇に葬られず、寸前のところで露わになったのが私の娘の事件だと思います。

 信じられないことに、治療経験がまったくないうえに薬の知識もなく、しかも何らの調査もしない、症例研究会も、カンファレンスもやらず、ただ単に抗ガン剤を使えばよいとの思い込みで、薬の危険など全く無視し、ただいい加減に抗がん剤を使っただけのものです。

 娘の病気に対し効果的な治療が何かを全く検討しないため、病理で滑膜肉腫と診断をしたものの、行ったのは全く別の病気である横紋筋肉腫の治療方法(VAC療法)とされている抗癌剤の投与でした。その横紋筋肉腫の簡単なプロトコールを読むことさえ出来ず、全く経験が無く知らないにもかかわらず、抗がん剤の使用説明書を読みもせず(主治医は薬の説明書を過去にも読んだことが無いと述べている)、1週間に1回の投与しか許されていないビンクリスチンを毎日7日間連続投与しました。

ましてやこのようなメジャーな薬を、誰も気が付かずに毎日7日間も連続投与をしたというチェック機能の無さは、本当に考えられないことだと思います。

 そもそもデタラメに行っているので、異常なことを指摘したらそれこそキリがありません。

 そして、死亡後は抗がん剤の過剰投与を隠すため、私に病死とする死亡診断書を渡し、なおも医局の医師全員を集めた説明においては、病気で亡くなったと説明し、我々を病気だと思い込ませ自宅に帰したのです。

 これが果たして病院なのでしょうか、ましてや教育機関でもある大学病院が、このような理不尽な振る舞いをしているのです。

 また、こちらの再三の要求に対し、病院側は未だにきちんとした調査結果の報告をせず、これでは一般的に言う、事故の教訓を活かすなどとは、甘い考えだと言わざるを得ません。

 このような体質なのでしょうから、娘の事件が報道機関により広く伝わると、私のもとに、同医科大学により被害を受けたとする数十人の方から連絡があり、被害者の会まで出来てしまいました。

 私の弁護士は勿論、捜査をしている刑事さんも、なんと被告側の一部の弁護士さえも、病気を治すために病院に行くのに、これでは恐ろしくて、とても病院には行けないじゃないか、と言う始末です。

 被告医科大学のある先生(学校)に聞くと、そもそも本学の学生は英語力が不足したままに何故か医者になるのだが、しかし文献が読めないから医学にならない、と言われます。

 1960年頃の「医大新設構想」により、新設医大の濫造がされ、本来医者に相応しくない者までが何故か医者になることが出来、そのツケが、私の娘や多くの方々の身に降りかかっているものだと思います。

 医学が出来ない者や、リピーターが排除されない限り、この状態は永遠に続いてしまうのだと思います。医療を受ける側は勿論、健全で優秀な医療従事者にとっても、同一視されるのは全く迷惑な話だと思います。

 MIネットの医師の方からも、そのような議論をする時期に来ている、との投稿が有りましたが、その通りで、私も機会があればそれを訴えて行きたいと思います。

 安全を欠く医療はその名に値しないと思います、MIネットの医療改善の趣旨は、医療過誤のことだけでないのは分かりますが、命に拘わる重大な事柄でもありますので、MIネットの重要課題の一つとして今後もさらに取り上げて欲しいと思います。