webzine 医療改善のために
第3号(2001年12月9日発行)
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<MIネットの現在>

MI-net 「こんな病院がいい!」(CH部会)活動のご報告

やまだ まき(大学院在学・看護婦)
(2001.11.25)

 MI-NETでは、さまざまな医療についての問題が論議されています。それは現在の医療上の問題を語るものであり、医療を受ける側、提供する側にとっても大きなストレスとなることがあります。もちろん、それらの論議は必要なことです。これを否定する気持ちはありません。でも、多くの人々にとっての「理想の病院」とは、どのようなものであるのだろうか?と、ふと疑問に感じました。

2001年1月に、以下のようなメールをMI-netに投稿しました。

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患者さんとして病院にかかる時、自分が病院で働く時、「あ〜あ、こんな病院だったらいいのになー」と思うことが多々あると思います。問題をはっきりさせて、それをクリアーしていくこと自体は良いと思うのですが,様々な立場の方々が、一貫して「こんな病院がいい!」と思われる病院って、どんな病院であるのかをイメージできると、その情報を元にして、現在の病院をその理想に近づけこと事も、新しい病院を作るときに、その情報を使うことも出来るんじゃないかな、と思いました。
 今までも様々なご意見が出ていると思いますが,それがまとまったものがないかと思います。日ごろROM(読むこと専門のメンバー)されておられる沢山のメンバーの方々からのご意見も是非お聴きしたいです!

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このメールに対して、様々なお返事をいただきました。関連するメールも含めると127通になります。これらのご意見について、部会を作って検討してはどうか、というご意見をいただき、1月末に別枠のメーリングリストを世話人の高田さんに設置していただきました。

今までにいただいている「こんな病院がいい!」というご意見には、以下のようなものがあります。

まず、病院の理念については、以下の2点があげられました。

最近、患者の権利宣言を提示している病院は増えてきていますが、一つ一つの「患者の権利」を見ていくと、それらすべてが尊重されているとは言えない状況があることが感じられます。患者の権利に関する世界医師会リスボン宣言には、「良質の医療を受ける権利」、「選択の自由」、「自己決定権」、「意識喪失患者の権利」、「法的無能力者の権利」、「情報に関する権利」、「秘密保持に関する権利」、「健康教育を受ける権利」、「尊厳性への権利」、「宗教的支援を受ける権利」などが掲げられています。はたして、この権利宣言を提示している病院のうち、どのくらいの病院で、すべての「患者の権利」が尊重されている病院があるのでしょうか。私たちの「理想の病院」は、これらの「患者の権利」が、ただ掲げられているだけではなく、その権利を享受できる病院です。
 「患者−医療従事者の関係が対等である」とあるのは、患者として病院に受診する際、自分の意見を聞いてもらうことができず、医療従事者から一方的に情報を聞かれ、自分が自分の人生、健康、生活などについて何を優先しているのか、どうしたいのか、ということを聞かれず、治療方針が決定されることが多いという現状の裏返しであるように感じます。

 施設の面でも、さまざまなご意見をいただきました。本来、身体の状態を癒すはずの病院の環境が患者さんのストレスとなっていることを強く感じました。今までにいただいたご意見をまとめると、プライバシーの保持・安楽な入院生活のための設備」(少なくとも2床室までに・浴室を男女別にして十分時間をとって入浴できる・診察室で交わされる会話が外部に聞こえないなど)、「社会性を維持するための設備」(家族や友人と過ごすための場所が確保されている・気がね無く電話できる場所が確保されている・面会時間の制限がないなど)、「必要な情報を自分で得るための設備」(誰でも利用できる医学図書館の設置・パソコンなどによる情報検索が可能・カルテ開示に積極的であるなど)などがあります。もちろん、これらの設備を備えた病院を作るためには“お金”が必要となります。今後、MI-CH部会では、このような設備を備えた病院を作るためには、どの程度の資金が必要となるかを検討してみようとしています。

 医療従事者の対応としては、「威圧的・指示的でなく、親身になって共に考えるというスタンスをとる・言葉遣いや態度が丁寧である・診察の前後に質問できる時間が取られている」などのご意見がありました。これらは、費用もかからず、どの病院でも実施可能なことであると考えられます。

 MI-CH部会では、今までにいただいたご意見を基に、MIネットとしての理想の病院像をまとめ、その理想の病院を阻む問題は何であるのか、それを解決するためにはどのようなアクションを起こすと効果的であるのか、などを検討していきたく思っています。また、さまざまなご意見をお聞かせいただきたく思いますので、ご協力のほど、よろしくお願いいたします。