webzine 医療改善のために
第4号(2002年2月28日発行)
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<巻頭言>

最近のMIネットの活動

栗岡 幹英(社会学研究者)

 MIネットの発足以来3年目に入り、会員も420名を超えてさらに少しずつですが増えています。前回お伝えしたコメントサービス(CS)は、すでに30件を超える質問にお答えしており、具体的状況にとらわれない立場から医療情報を提供し、自己決定の参考にしていただくという当初の目的に対して一定の成果を挙げています。

 また、mi-netとmi-lの二つのMLによる分業も当初の意図に近いかたちで運用されています。この間、今回の特集に組んだ日本医大下顎骨手術急死事件の新たな進展があり、mi-lでも日本医大に対して厳しい意見が相次ぎました。また、医療従事者の良心的行動を支援する会(略称:Some-CA)の意義が改めて見直される結果にもつながりました。

 mi-netでは、市立札幌病院救命救急センターで歯科研修医が救急診療に当たっていたとして摘発された事件について、救急および歯科研修の在り方をめぐって長い議論が展開されました。救急を学ぶことは歯科医にとっても必要との意見が強かったようです。

 mi-lでは、前述の日本医大事件を始めとして、相変わらず医療事故関係の話題が投稿数の大きな部分を占めています。東京女子医大での心臓手術ミスでは、きわめて基本的な機械の操作ミスがあったことが問題になりました。また、山口県立精神病院での患者不審死など、精神病院の抱える問題については、改善がみられないどころか、犯罪に相当する事件を起こした精神障害者の処遇をめぐる動きには懸念せざるをえません。

 医療に関する集会や学会、シンポジウムなどが紹介され、何冊かの本が紹介されましたが、好ましくないと評価される書籍の方が話題になるようです。『行ってはいけない病院』は、とりわけその中で評価された病院について、選定基準やひいては著者の姿勢をめぐって強い疑念が寄せられました。

 また、患者に対する「指導」という言葉を医師が違和感なく用いることについての患者の側からの疑念については、医師と患者のそれぞれの立場から賛否両論が寄せられ、MIネットにおいても医師−患者関係に関してそれなりに隔たりがあることが浮き彫りにされました。幸いMIネットには医療被害を受けられた方がたくさん所属され、議論の要所で発言されており、このことが健全な運営に大きな役割を果たしていると言えるでしょう。

 そのなかで、患者のための医療をめざす新しい病院を作ろうと、mi-lでも積極的に論点を提出されてこられた一会員の勤務する病院が奈良県で開院の運びになっています(大和高田市・中井記念病院)。

 今年は、事務所をもつ体制を確固としたものにするためにも重要な年になります。6月には昨年に引き続きシンポジウムも開催する予定です。どうぞ今年もご注目ください。