webzine 医療改善のために
第5号(2002年5月31日発行)

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この質問へのみなさんの回答を読ませていただき、大変勉強になっています。質問し
た中学生の前に、私にとって、これらの回答はとても貴重な意見集になっています。
ありがとうございます。

 ところで、私もひと言参加させていただければと思いキーを叩いています。質問1
の回答についてです。具体的にどのように書いていくかは事務局のみなさんにお任せ
します。

 医療事故の原因は何かという問いの答えには、何か模範答案のようなものはありま
せん。最も大切なことは、「どうしてこんなに医療事故が起こるの?」という疑問を
持ったあなた自身が、私たちの答えを参考にしながら、「何故」を自分で突き詰めて
考え抜いていくことです。例えば「看護婦が投薬ミス」と新聞の見出しにあっても、
「そうか、看護婦が間違ったからこの医療事故が起こったのだ」と簡単に考えてしま
わないことです。そこから「何故この看護婦さんは薬を間違ってしまったのだろう」
と次の疑問を持ち、その答え(例えば、その看護婦さんが、「疲れていたのと忙し
かったので、薬をちゃんと確かめなかった」と言っているという新聞記事から、疲労
と多忙が理由らしいということがわかります)に対しても更に、「それなら、薬を間
違えたら命にかかわるというのに、それもちゃんと出来ないほど疲れていたり忙しい
というのはなぜなのだろう」という疑問を持つというように、限りなく何故を考えて
いくことが大切です。そうして考えていった末に、もう「何故」が出てこない答えが
見つかったとき、それが本当の「答え」なのです。おそらくそうした「回答」は、す
ぐには見つからないと思います。実は、そうした「原因探し」で重要なのは、「やっ
てみること」なのです。これが答えだ、と思う回答が見つかったとき、それをやって
みる。すると、確かに事故は減るけど、まだ完全には無くならないということが解っ
てきます。そこでまた「どうしてだろう」という「何故」が新しく始まるのです。こ
うした問いかけが、どれだけきちんと出来るかは、結局は、患者の命や健康を守ると
いうことをどれだけ根本に据えて考えるかにかかっています。それが中途半端だと、
適当なところで、妥協してしまうからです。実は、私たち自身も、まだ本当に完全な
答えをみつけてはいません。それだけこの問題は大きく深い問題なのです。
 人(医師や医療従事者たち)が、持っている力を100%発揮することが出来ない
のは、医療のしくみのどこが不十分だからなのか、どこに誤りがあるからなのかとい
うことを考えていくことが「回答」への一つの道筋です。
 でも、では、人が持っている力を100%発揮できるようなしくみを造れば医療事
故はゼロになるかというと決してそうではありません。それは、人は誰でも間違いを
犯すものであるということからきます。すると、この面では、誰かが間違いをして
も、それが「医療事故」にならないようにするにはどうしたらよいのかということを
考える必要があります。
 つまり、一方では、人がミスを犯すのは何故なのかを問いつめていき、他方では、
人がミスを犯した時にそれが事故につながらないように出来なかったのは、なぜなの
かを問いつめていく。その2つの方向で「何故」を突き詰めていくことが大切です。

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