webzine 医療改善のために
第5号(2002年5月31日)発行

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医療を受ける側としての自衛策として・・

                     やまだまき(看護職)

 医療事故を防ぐために最も注意を払い、問題を解決しなければならないのは医療従事者であると考えられます。インシデントレポートを書く事は定着しつつありますが、それらの情報を分析し、事故が起こりにくいシステムを講じるという段階までは達していないのが現状であると考えられます。様々な事故を予防するための具体的な方策については、様々な文献、調査によって指摘されていますので、今回は、医療を受ける側としての医療事故に向けてどのような取り組みが有効であるのかを考えてみようと思います。

 医療を受ける側として、まず始めに、自分の体の状態、病気のこと、受けている治療の事を知っておく事が挙げられます。たとえば自分が「どういう病気です」と診断をされたとすれば、高い医学関係の本を購入しなくても、インターネットを使ってその病気の治療法、薬や、食事や運動など、日常生活上、どういった注意をするといいのか、などを知ることができます。ご自身で調べてみても良く分からない、という場合には、信頼できる知り合いの医療従事者、特に数としては看護職が最も多いと思うので、そのような方々に相談してみてもよいかと思います。万一、処方された薬剤の種類や量に間違いがあった場合など、その薬についての知識を持っている場合、服用以前に間違いに気づき、対処することができると考えられます。

 また、何か説明を受けたときに、「よく分からない」と感じたときには、すぐに「今の説明、**という言葉が良く分からないのですが、もう少し分かるように説明してもらえますか?」などと伝えるとよいと思います。これは普通の生活の場でも同じだと思います。質問することには勇気が必要かもしれません。でも、そのように質問をされたことによって、先生も「こういう説明では分かりにくいのかもしれないな」という事に気がつく、という場合もあります。普段から医師に質問をするなどしてコミュニケーションをとり、自分自身に行われている治療についての知識を持ちたい、という事を伝えておくことにより、通常よりも多くの説明を得られる可能性が高まると考えられます。海外で行われた調査の結果、質問を多く行う患者さんの方が、多くの情報を得ることができ、医療に対する満足感も高まるという報告もあります。普段からコミュニケーションをとり、質問することに慣れておけば、何らかの疑問を感じたときにそれを伝える事も容易になるのではないでしょうか。

 手術を受ける際の部位取り違えを防ぐために海外で、医師と患者双方が確認しながら手術前にその部位にマークをつける、という事も行われ、ある程度の効果を上げているようです。また、継続して点滴を受けているような場合であれば、点滴を行う準備をしている際に、その形状や色を注意深く見ておくことも事故を防ぐには有用であると考えられます。もし通常受けられている点滴と、今回受けた点滴の色や形状が違う、という事に気づいた場合には、その場で「いつもしている点滴と違うよ」と伝える事ができると思います。点滴の内容が変更になった、という可能性もありますが、その説明を受けていない場合であれば、説明を求めたほうがよいと考えられます。点滴や注射の内容についても、医師や看護婦に内容を何かに書いてもらうように依頼し、その内容や副作用についても知っておられたほうがよいかもしれません。

 最近、新聞などで、「カルテ開示」「レセプト開示」について取り上げられることがあります。病院によってはカルテを開示している所もあります。開示しているのかどうか分からないような病院でも、聞いてみると簡単にカルテや検査結果のコピーをくれるところもあるかもしれません。自分の体に対してどのようなことが行われているのか、自分の体の状況はどうなっているのか、という事を知るために、カルテを開示してもらうことは役に立つと思います。開示されるようになると、医療従事者のほうも気持ちが引き締まります。

 その他にも様々な自衛策はあると思います。実際に医療を受ける方々が、どのような取り組みをされておられるのか、また、それに伴う障害はないのか、という事についても、患者さんの視点から共に考えていく必要があると思われます。

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