総合診療病棟の取り組み

webzine 医療改善のために
第5号(2002年5月31日)発行

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<さまざまなとりくみから>

患者のための医療をめざして

尾形和泰 勤医協中央病院 総合診療教育部 

 北海道民医連のセンター病院である勤医協中央病院では、この4
月から総合診療病棟がオープンします。その背景となった議論など
を少し紹介します。

 私たちの病院も、大規模病院にありがちな臓器別の病棟構成で発
展してきました。患者さんのためにと考えていても、どうしても縦
割りの、言わば医師中心の医療となってしまいました。例えば病名
や患っている臓器がはっきりしないと入院する病棟が決まらないと
か、病院内で患者さんがたらい回しされるようなことすら起きてい
ました。

 卒後臨床研修もその中で受け入れていましたので、臓器別・科別
のローテーション研修となり、知識はたくさんあっても、患者さん
を全人的に把握したり、患者さんの問題を解決する主治医能力を身
に付けることは、なかなかうまくいきませんでした。

 そこで、患者さんを臓器や疾患で差別せず、丸ごと引き受ける病
棟をつくろうというムーブメントが若い医師から起き、地域の患者
さんや医療機関からの要求とも合致し、総合診療病棟という形で提
起されました。

 医師も他のスタッフも、患者さん中心の医療を学び、実践しなが
ら、医療の目標を患者さんや家族と共有できるようにしたいと、大
きな目標を掲げて準備中です。

 実際には、研修医が単独診療にならないように、指導スタッフ医
師と、卒後数年以内のシニアレジデント・1年目のジュニアレジデ
ントが屋根瓦のようにチームを組んで、患者さんを担当する仕組み
とし、スタッフ医師が研修医の医療内容に十分に責任を持ち、適切
なロールモデルとなるようにしようと思っています。

 全国の大学にも総合診療科や総合診療部ができていますが、教育
や診療の役割をどのように発揮し、評価するか、まだまだ悩んでい
るところがほとんどです。それぞれの悩みを聞いたりしながら、患
者さんの味方になれる総合診療科や総合診療部がたくさんできたら
良いなぁと、考えながら準備をしている今日この頃です。

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