向精神薬損害賠償事件 広島地方裁判所 平成5年9月20日判決
抗てんかん剤損害賠償事件 広島地方裁判所 平成5年8月26日判決
脊椎損害賠償請求控訴事件 東京高等裁判所 平成5年4月30日判決
ステロイド外用剤損害賠償請求事件 東京地方裁判所 平成4年5月22日判決
アスピリン系薬剤損害賠償請求事件 松山地方裁判所今治支部 平成3年2月5日判決
アスピリン損害賠償請求事件 広島地方裁判所 平成2年10月9日判決
抗生物質損害賠償請求控訴・同附帯控訴事件 福岡高等裁判所 平成2年6月29日判決
ステロイド剤損害賠償請求事件(否定例) 東京地方裁判所 平成2年3月12日判決
分娩時麻酔死亡損害賠償請求事件 東京地方裁判所 平成1年2月20日判決
薬疹処置後死亡損害賠償請求控訴事件 大阪高等裁判所 昭和60年10月30日判決
ストマイショック死損害賠償請求事件 東京地方裁判所 昭和60年10月29日判決
モロヨドール後遺障害損害賠償請求事件 大阪高等裁判所 昭和60年4月26日判決
カナマイシン難聴損害賠償請求事件 東京地方裁判所 昭和56年5月25日判決
ストマイ製造者責任損害賠償請求訴訟 東京高等裁判所 昭和56年4月23日判決
ストマイ等損害賠償請求訴訟 京都地方裁判所 昭和56年3月27日判決
サルバルサン損害賠償請求訴訟 東京地方裁判所 昭和56年2月26日判決
筋弛緩鎮静剤損害賠償請求事件 福岡地方裁判所小倉支部 昭和55年11月25日判決
ストマイ全ろう損害賠償請求事件 東京地方裁判所 昭和53年9月25日判決
イルガピリン損害賠償請求事件 東京地方裁判所 昭和46年3月31日判決
東京地裁可部判決 東京地方裁判所 昭和53年8月3日判決
インフルエンザ予防接種事故行政事件 浦和地方裁判所 平成7年3月20日判決
小樽種痘禍事件高裁判決 札幌高等裁判所 平成6年12月6日判決
予防接種ワクチン禍集団訴訟 東京高等裁判所 平成4年12月18日判決
小樽種痘禍事件高裁判決 札幌高等裁判所 昭和61年7月31日判決
予防接種ワクチン禍集団訴訟 東京地方裁判所 昭和59年5月18日判決
小樽種痘禍事件 札幌地方裁判所 昭和57年10月26日判決
名古屋筋短縮症訴訟第一審判決 名古屋地方裁判所 昭和60年5月28日判決
山梨筋短縮症訴訟第一審判決 東京地方裁判所 昭和60年3月27日判決
白河筋短縮症訴訟第一審判決 福島地方裁判所白河支部 昭和58年3月30日判決
ステロイド注射骨関節結核集団発生国賠事件 広島高等裁判所 平成6年3月29日判決
三種混合ワクチン医療費等不支給決定取消請求事件 福島地裁 判決 96.8.23
□三種混合ワクチン予防接種と急性脳症の発症との因果関係が認められた
□三種混合ワクチンの予防接種とその後に生じた重度心身障害との間に因果関係があるとして、予防接種法に基づく医療費等の不支給処分が取り消された
新潟スモン訴訟判決 新潟地裁 判決 94.6.30
□キノホルム剤を服用してスモンに罹患した者に対する製薬会社、販売会社及び国の損害賠償責任を認めた
□スモン患者の有する損害賠償請求権について消滅時効の援用が権利の濫用であるとされた
□昭和四四年一二月当時、キノホルム製剤を服用していわゆるスモンにり患した者からの国家賠償請求につき、厚生大臣の薬事法(昭和五四年法律第五六号による改正前のもの)上の権限の不行使が違法とされた
東京スモン訴訟控訴審判決 東京高裁 判決 90.12.7
第一審昭和53年8月3日東京地裁判決昭46(ワ)9815号
□キノホルム製剤の服用によりスモン病に罹患したとして製薬会社を相手方としてした損害賠償請求がスモン病であることの証明が不十分であるとして棄却された
□スモン訴訟において、原告がスモンに罹患していることの証明がないことを詳細に判示し、一審判決を取り消して請求を棄却した
スモン 神戸地裁 判決 80.3.17
□スモンについてキノホルムを製造販売した製薬会社に損害賠償責任を認めた
□不法行為により被つた損害のすべてを総体として包括的にとらえ慰謝料形式で請求することが認められた
スモン 東京地裁 80.3.7
□わが国で多発したスモンの原因たるキノホルム剤は被告チバ・武田系統か被告田辺系統の製造販売にかかる製品のいずれかであると推認されるから、スモン訴訟の和解においては、キノホルム剤不特定スモン患者に対し支払うべき損害金のうち国が負担すべきもの以外は、チバ・武田がこれを負担すべきであるとされた
群馬スモン訴訟第一審判決 前橋地裁 判決 79.8.21
□スモンの病因はキノホルムであるとした事例
□医薬品を販売のため製造する者は、医薬品の製造に当たつて、科学として最高の水準で調査研究をして安全性を確保する注意義務を負つているとした
□薬害訴訟において、いわゆる包括一律請求を認め、右の遅延損害金の起算日を口頭弁論終結の日又はその翌日であるとした
□薬害訴訟において、薬品の製造者及び販売者の不法行為責任を認め、両者は民法七一九条一項の共同不法行為者として連帯して損害賠償責任を負うとした
□国と製薬会社が薬害につき連帯責任を負う場合、その認容額に対する仮執行宣言につき両者に対する割合を異にした事例及び国に対して仮執行宣言を付さなかつた
□厚生大臣の医薬品の安全性確保義務の違反は、社会通念に照らして国家賠償法上も違法と評価されるべきであるとした
大阪スモン訴訟第一審判決 大阪地裁 判決 79.7.31
□スモンの病因はキノホルムであるとした
□製薬会社は、医薬品の製造に当たつてはもちろん、製造販売後であつても常に有害な副作用につき追跡調査する義務があり、有害性を発見したら直ちに製造及び販売の中止、製品の回収等の措置を採らなければならないとした
□甲が、資本金を全額出資し役員を派遣して設立した製薬会社乙から乙の製造にかかるキノホルムを購入し、これを他社丙に販売し、丙がこれを小分けの方法で製造販売したところ丙社製品によりスモン患者が発生した場合には、甲・丙は連帯して損害賠償義務を負うとした
□薬害訴訟について、損害額を包括的に算定し、その遅延損害金の起算日は口頭弁論終結の日であるとした
□厚生大臣は薬事法に基づき医薬品の安全確保義務を負い、医薬品の製造輸入の承認等の際右の義務を果たさなかつたため右の医薬品により国民の健康が害された場合には、国は国家賠償法による損害賠償義務を負うとした
□医薬品の製造輸入の承認は厚生大臣の自由裁量行為であるが、右の承認に際し副作用の危険を予見できたのにこれを予見しなかつた場合には、裁量権の逸脱があるとした
静岡スモン訴訟第一審判決 静岡地裁 判決 79.7.19
□スモンの病因はキノホルムであるとした
□製薬会社は、医薬品の製造に際してはもちろん、製造販売後であつても有害な副作用につき追跡調査する義務があり、有害性を発見したら直ちに製造及び販売の中止、製品の回収等の措置を採らなければならないとした
□薬害訴訟について、損害額を包括的に算定し、その遅延損害金の起算日は症状発現の日であるとした
□医薬品の製造輸入の承認は厚生大臣の自由裁量行為であるが、右の承認に際し副作用の危険を予見できたのにこれを予見しなかつた場合には、裁量権の逸脱があるとした
□厚生大臣は薬事法に基づき医薬品の安全確保義務を負い、医薬品の製造輸入の承認等の際右義務を果たさなかつたため右の医薬品により国民の健康が害された場合には、国は国家賠償法による損害賠償義務を負うとした
□国と製薬会社が薬害につき連帯責任を負う場合、その認容額に対する仮執行宣言につき両者に対する割合を異にした事例及び国に対して仮執行宣言を付さなかつた
京都スモン訴訟判決 京都地裁 判決 79.7.2
□スモンの病因はキノホルムであるとした
□製薬会社は、医薬品の製造に際してはもちろん、製造販売後であつても常に人体に対する障害の発生を未然に防止すべき注意義務を負うとした
□薬害訴訟における包括一律請求の遅延損害金の起算日は口頭弁論終結の日の翌日であるとした
□薬害訴訟において国と製薬会社が連帯して損害賠償義務を負う場合、その内部関係では国の責任は使用者責任又は連帯保証責任に類似しているとした
□医薬品の製造輸入の承認は厚生大臣の自由裁量行為であるが、右の承認に際し副作用の危険を予見できたのにこれを予見しなかつた場合には裁量権の逸脱があるとした
□厚生大臣は薬事法に基づき医薬品の安全確保義務を負い、医薬品の製造輸入の承認等の際右義務を果たさなかつたため、右の医薬品により国民の健康が害された場合には、国は国家賠償法による損害賠償義務を負うとした
□国と製薬会社が薬害について連帯責任を負う場合において、国に対して認容額に対する仮執行宣言を付さなかつた
□厚生大臣は薬事法に基づき医薬品の安全確保義務を負い、医薬品の製造輸入の承認等の際右義務を果たさなかつたため右の医薬品により国民の健康が害された場合には、国は国家賠償法による損害賠償義務を負うとした
札幌スモン訴訟第一審判決 札幌地裁 判決 79.5.10
□キノホルムがスモンの病因であるとした
□製薬会社には、医薬品製造に当たつて、有害な副作用の有無の確認、追跡調査をする義務があり、有害性を発見したら直ちに販売の中止及び製品の回収等の措置を採らなければならないとした
□薬害訴訟におけるいわゆる包括一律請求の起算日は口頭弁論終結の時であるとした
□薬害訴訟における損害額の算定方法
□薬害訴訟において、いわゆる包括一律請求を認めた
□医薬品の製造輸入に際し、厚生大臣には副作用発現の危険を予見することが可能であつたとした
□厚生大臣は薬事法に基づき医薬品の安全確保義務を負い、医薬品の製造輸入の承認等の際右義務を果たさなかつたため右医薬品により国民の健康が害された場合国は国家賠償法による損害賠償義務を負うとされた
□厚生大臣について薬事法に基づく医薬品の安全確保義務の不履行があつたとした
広島スモン訴訟第一審判決 広島地裁 判決 79.2.22
□スモンはキノホルム(剤)を唯一の原因とする疾患であるとした
□国は薬事法上医薬品の安全性を確保すべき義務を負うとした
□厚生大臣の医薬品製造承認等の処分は裁量的であるが、その安全性に関する限り裁量の余地は小さく、むしろ厳格な配慮が義務付けられているとした
□国が医薬品の安全性確保義務違反を理由に国家賠償法一条一項による損害賠償義務を負うためには、結果の重大性、事態の緊急性等の諸事情に照らし、右義務違反につき社会観念上当該国民個人に対する関係でも違法評価をなし得ることが必要であるとした
□医薬品の危険に対する予見可能性は、当該医薬品の安全性確保のため適切な措置を採るべきことを可能ならしめる程度のもの、つまり、右危険の存在を少なくとも合理的な疑いをもつて予測し得る程度のものであれば足りるとした
□国及び製薬会社は、昭和三一年一月当時において、人がキノホルム剤の服用によつて重篤かつ不可逆的な神経障害を呈する危険のあることが予見可能であつたとした
□いわゆる一律包括請求による損害額の算定は、スモン事件のごとく類似症状多発事案にあつては公平で実体に即したものであるとした
□スモンの病像は、その部分的症状の態様・経過だけでなくキノホルム剤投与に続く進展経過を全体的に観察するとき、他の類似疾患との鑑別は必ずしも困難ではないとして、鑑定を経ることなく診療録等を中心にスモン症状を認定した
□自社製のキノホルム剤が製造者不明のキノホルム剤と相まつてスモンを発症させた場合、自社製剤によつて生じたとみられる範囲内の損害についてのみ相当因果関係があるものとして、国と不真正連帯責任を負うべきであるとした
福岡スモン訴訟第一審判決 福岡地裁 判決 78.11.14
□キノホルム剤服用とスモン病との間には、法的因果関係の存在が肯認され、キノホルム説以外の病因論は、いずれも納得のいく説明がなされていないとされた
□純正医薬品の使用によつて副作用が発現したことを消費者が主張立証しさえすれば当該医薬品の供給は違法と推定され、供給者が右副作用と当該医薬品の有する有効性との比較考量を経てもなお有用性があるとの主張立証に成功しない限り右推定は覆えらないとされた
□自ら業として製造、輸入又は販売した欠陥医薬品の服用によつて消費者の生命・身体に副作用被害を及ぼしたことだけで当該医薬品業者の過失が事実上強く推定され、右副作用の発現が医薬品業者に要求される高度かつ厳格な注意義務を尽くしても全く予見し得なかつたことを業者が立証しない限り右推定は覆えらないとされた
□キノホルム剤服用の立証として投薬証明書の存在が絶対の要件ではないとされた
□スモン被害の予見可能性の対象はスモンそのもの又はスモンとの関連を推論し得る何らかの神経障害の発現であり、昭和三四年五月の時点で被告製薬会社及び国は右の予見可能性があつたとされた
□国は国家賠償法一条一項による責任を負う前提として、医薬品安全確保義務とそれを介して国民個々人の生命・健康の保全を図るべき義務があるとされた
□公定書医薬品又は製造・輸入を許可された公定書外医薬品の服用によつて消費者の生命・身体に副作用被害を及ぼしたことだけで当該医薬品の国民への供給を可能ならしめた国の過失が事実上推定され、国において右副作用の発現が注意義務を尽くしても全く予見し得なかつたことを主張立証しない限り右推定は覆らないとされた
鑑定人忌避申立事件 東京地裁 決定 78.11.30
□鑑定人に対する忌避申立てが却下された
□スモンなりや否やの個別的判定もさることながら、スモンと認められた場合の症度の判定は、多数の原告全員について共通の基準によるものでなければならず、しかも、その基準が必ずしも数額的に設定され難いものである以上、同一体による判定が望みうる最善の途とならざるを得ない。ここにおいて、当裁判所は、多数専門医による共同鑑定を是として、特定原告と一部鑑定人との間の医師および患者としてのやむをえざる特殊の人的関係は、多数鑑定人による共同鑑定という作業の過程において止揚さるべきものとした
横浜地裁 判決 78.11.28 第一審昭和53年6月1日横浜地裁決定昭53(ヨ)468号
□スモン患者に対する仮払仮処分決定が仮処分異議事件判決において認可された事例 判時925号97頁、判タ375号63頁 北陸スモン訴訟訴訟救助決定 名古屋高裁金沢支部 決定 78.9.19
□一審で仮執行宣言付勝訴判決を得た原告が控訴審において訴訟救助を認められた
東京スモン訴訟裁判官忌避申立事件抗告審決定 東京高裁 決定 78.7.25
第一審昭和53年7月15日東京地裁決定昭53(モ)10555号B
□裁判官忌避制度の趣旨
□裁判官の訴訟指揮や和解における言動に実体判断が反映することと忌避事由
□民事訴訟法三八条二項の規定は忌避申立ての日から三日を経過するまでは右申立てに対する裁判をすることができないことを定めたものではないとした
文書提出命令申立却下決定に対する即時抗告事件 大阪高裁 決定 78.6.20
第一審昭和53年1月17日大阪地裁決定昭52(モ)10765号
□第三者たる医療機関の所持する原告(患者)の診療録についての文書提出命令申立てに対し、民事訴訟法三一二条三号前段の適用が認められた
□診療録と薬害訴訟における文書提出命令の可否
□医師の診療過程で投薬した事項を記載してある診療録は、その薬剤による患者と該薬品を製造販売した薬品業者との薬害訴訟において民事訴訟法三一二条三号前段の文書にあたる。
文書提出命令に対する即時抗告事件 大阪高裁 決定 78.5.17
第一審昭和52年12月27日神戸地裁決定昭52(モ)1328号
□診療録と薬害訴訟における文書提出命令の可否
□医師の診療過程で投薬した事項を記載してある診療録は、その薬剤による患者と該薬品を製造販売した薬品業者との薬害訴訟において民事訴訟法三一二条三号前段又は同号後段の文書にあたらない。
□民事訴訟法三一二条三号前段、後段の意義
□いわゆる薬害訴訟において、患者の診療録は、製薬会社の利益のために作成された文書に当たらず、また製薬会社と医師ないし病院との「法律関係文書」にも当たらないとした
□訴訟の一方当事者の申立てに基づく第三者に対する文書提出命令について、相手方たる当事者は即時抗告をすることができる。
北陸スモン訴訟第一審判決 金沢地裁 判決 78.3.1
□キノホルム剤によるスモン被害につき、被告国と被告製薬会社の責任が共同不法行為関係にあるとされた事例
□キノホルムとスモンの因果関係が認められた
□スモンの予見可能性があつたとされた
□厚生大臣のしたキノホルム剤の製造許可、輸入又は製造承認が違法であり、かつ、過失があつたとされた
□慰謝料の算定に当たり財産上の損害を請求する意思のないことをも斟酌した
□厚生大臣の医薬品審査義務の意義・内容
スモン訴訟カルテ提出命令申立の許否に対する即時抗告事件 福岡高裁 決定 77.7.12
□民事訴訟法三一二条三号前段にいう「挙証者ノ利益ノ為ニ作成セラレ」たことの意義と事例
□同法条一号にいう「自ラ所持スルトキ」の意義
□薬害訴訟において、投薬証明書が原告患者側の主張に「引用」された文書であると認定して、同法条一号により、被告製薬会社側の提出命令申立を認めた事例 判タ351号258頁 原審昭和51年6月21日福岡地裁判決
スモン病訴訟裁判官忌避申立事件抗告審決定 東京高裁 決定 77.5.11
第一審昭和52年2月9日東京地裁決定昭52(モ)86号
□訴訟指揮、和解における裁判官の所感表明、調書未整理と忌避理由(消極) 判時862号39頁 訴訟救助申立却下決定に対する抗告事件 東京高裁 決定 76.11.18 第一審昭和51年2月19日東京地裁決定昭50(モ)1697号
□薬害集団訴訟における訴訟上の救助申立てにつき、無資力を判定するに当たり原則として同居の家族四人までの世帯につき年収三〇〇万円程度をもつて一般的基準とすることを相当と認めた
□訴訟上の救助の要件である資力の判定につき家族の収入を合算することの可否(積極)
□多数の訴訟救助申立人のある薬害集団訴訟において、総理府統計局発行の家計調査報告書に基づく標準勤労者世帯の平均実収入のほか、申立人らの薬害による治療費等の特別の生活支出ならびに法定訴訟費用外の本案追行に要する諸費用を考慮して、原則として、同居の家族四人までの世帯につき年収三〇〇万円程度をもつて一般的基準とし、その基準に達しないものに訴訟上の救助を付与することは相当である。
□訴訟上の救助の要件である資力の判定にあたり、当事者本人及び其の家族の生活が本人及び家族の収入によつて維持されている場合には、特段の事情のない限り、その各収入の金額を合算すべきであり、そのほかの場合でも、本人において家族の経済力から融通をうけうる可能性の基盤が客観的に存在する場合には、その家族の経済力を加えて本人の資力を判定すべきである。
スモン 横浜地裁 判決 75.5.6
□下半身麻痺症状(スモン病)とキノホルム剤投与との因果関係
□医師のキノホルム剤投与行為と過失の存否(消極) 判タ327号260頁
スモン病訴訟救助決定 京都地裁 決定 73.10.22
□いわゆる「スモン訴訟」について訴訟上の救助を付与した事例
スモン 甲府地裁 判決 73.4.9
□スモン病患者からの医師に対する損害賠償請求が棄却された事例
訴訟救助申立事件 大阪地裁 決定 73.3.26
□スモン病訴訟についての訴訟救助の一事例
訴訟救助付与申立事件 東京地裁 決定 73.3.23
□スモン病訴訟についての訴訟救助の事例
クロロキン薬害訴訟事件判決 最高裁第二小法廷 判決 95.6.23
第一審昭和57年2月1日東京地裁判決昭50(ワ)10797号等、第二審昭和63年3月11日東京高裁判決昭57(ネ)184号等
□医薬品の副作用による被害が発生した場合において、厚生大臣が右医薬品につき製造の承認等をしたこと及び右副作用による被害の発生を防止するために薬事法上の権限を行使しなかつたことが国家賠償法一条一項の適用上違法とはいえないとされた
□厚生大臣による医薬品の日本薬局方への収載及び製造の承認等の行為と国家賠償法一条一項の違法性
□厚生大臣が医薬品の副作用による被害の発生を防止するために薬事法上の権限を行使しなかつたことが国家賠償法一条一項の適用上違法とはいえないとされた
□厚生大臣のクロロキン製剤の日本薬局方への収載並びに製造の許可、承認及び効能追加の承認の各行為が、国家賠償法一条一項の適用上違法ではないとして、国の責任が否定された
□昭和五四年法律第五六号による改正前の薬事法において、日本薬局方に収載され、又は製造の承認された医薬品の有用性が後に否定された場合、厚生大臣は、右医薬品について日本薬局方からの削除及び右承認の取消しの各権限を有するか(積極)
□厚生大臣の薬事法上の権限の不行使が、医薬品による副作用被害を受けた者に対する関係において、国家賠償法一条一項の適用上違法となる場合に関する事例
□厚生大臣が薬事法上の権限を行使してクロロキン網膜症の発生を防止する措置を採らなかつたことが、国家賠償法一条一項の適用上違法ではないとして、国の責任が否定された
クロロキン薬害第二次訴訟控訴審判決 東京高裁 判決 94.9.13
第一審昭和62年5月18日東京地裁判決昭55(ワ)799号等
□医薬品の副作用を含めた医薬品の安全性の確保を、薬事法(昭和五四年法律第五六号による改正前のもの)は目的とし、規制の対象としているものと解すべきであるとした事例
□国に対するクロロキン製剤の服用によりクロロキン網膜症に罹患した患者からの損害賠償請求につき、服用当時における高度な医学的、薬学的知見の下では、厚生大臣がしたクロロキン製剤の製造承認等に安全性確保義務違反があるとはいえないとされた事例
□クロロキン製剤に関し、厚生大臣が、現実に行つた一連の対応及び措置よりも、より迅速、強硬な措置をとらなかつたことの行政指導に関する不作為が、厚生大臣に薬事法上の諸種の権限が付与された趣旨、目的に照らし、著しく不合理であるとまでは認められないとして、国家賠償法一条一項の違法行為と評価することはできないとされた事例
クロロキン薬害訴訟控訴審判決 東京高裁 判決 88.3.11
第一審昭和57年2月1日東京地裁判決昭50(ワ)10797号等、上告審平成7年6月23日最高裁第二小法廷判決平元(オ)1260号
□医薬品(クロロキン製剤)の副作用による被害につき、製薬会社に過失責任が認められた
□医薬品(クロロキン製剤)の副作用による被害につき、医師・医療機関の過失責任が認められた
□医薬品(クロロキン製剤)の副作用による被害につき、国の責任が否定された
□法人自体の不法行為を認め、民法七〇九条を適用することの可否(消極)
□制裁的慰謝料を定めることの当否(消極)
□いわゆる「インフレ算入論」の当否(消極)
□薬害による損害賠償金の遅延損害金の率と計算方法(年六分、複利を否定)
□民法七一一条の適用が否定された
□損害の算定に当たり原疾患の寄与が考慮され、損害額が減額された
クロロキン薬害第二次訴訟第一審判決 東京地裁 判決 87.5.18
□原告ら患者のクロロキン網膜症につき、被告製薬会社の過失責任を認めた
□被告製薬会社には、使用者に対し、クロロキン製剤の副作用の危険性を警告し、その回避方法などの副作用情報を伝達すべき注意義務があるのに、これを怠つた過失があるとされた
□いわゆる反射的利益論が排斥された
□厚生大臣が、製薬会社に対し、副作用の調査・研究を促し、使用者への適切な副作用情報の提供・警告をなすよう指導・勧告すべき義務を負うこともあり得るが、同義務違反はなかつたとされた
□いわゆるインフレ算入論、制裁的慰謝料論が採用されなかつた
クロロキン 東京地裁 判決 84.8.27
□クロロキン網膜症についてクロロキン製剤の投薬をした医師の過失が認められた
□逸失利益の算定におけるインフレ算入論の可否(消極)
□逸失利益の算定に当たり現収入が被害者の特別な努力によつて得られたものであることを参酌すべきであるとして、その三割相当額のみを控除の対象とした事例
クロロキン薬害訴訟事件 東京地裁 判決 82.2.1
控訴審昭和63年3月11日東京高裁判決昭57(ネ)184号、上告審平成7年6月23日最高裁第二小法廷判決 平元(オ)1260号
□原告ら患者のクロロキン網膜症(ク網膜症)につき、被告製薬会社の過失責任を認め、故意責任を否定した
□被告製薬会社は昭和三五年一月の時点でク網膜症の発生の危険を予見できたのであるから、その発生を未然に防止するため、1.クロロキン製剤の適応から、てんかん、腎疾患を排除し、2.エリテマトーデス、関節リウマチの各適応については、十分な警告と最大限度の回避可能な処置等の指示の伝達等結果回避措置を講ずる義務があつたとされた
□医薬品の輸入業者、販売元業者にも製造販売業者と同時の注意義務があるとされた
□一般開業医であつても、昭和四二年末の時点でク網膜症を予見できたとされた
□逸失利益及び介護費の算定に関し、将来における賃金及び物価水準の上昇見込分は考慮すべきではないとした事例
□制裁的慰謝料論は損害の公平な分担を目的とする損害賠償制度の理念に反し、採用し得ない
□薬局方収載時又は製造承認時に知られていなかつた副作用が後日判明した場合、条理上、厚生大臣は薬局方からの削除、製造承認の全部もしくは一部の撤回等の権限を有するとされた
□国民の生命等の侵害回避には右権限の発動以外にはありえない等一定の事情のある場合には、右権限の行使は義務づけられ、その不行使は職務上の義務違反となるとされた
横浜市大附属病院クロロキン網膜症訴訟第一審判決 横浜地裁 判決 79.9.26
□クロロキン製剤服用による網膜症の発生につき、昭和四二年三月当時、大学病院の担当の内科医師には副作用の予見が可能であつたとした
□慢性腎炎の治療としてなされたキドラの長期大量投与により、患者がクロロキン網膜症にり患し失明するに至つた場合につき、病院(市)に担当医師の過失による使用者責任を認めた
クロロキン網膜症訴訟第一審判決 東京地裁 判決 78.9.7
□クロロキン投与による網膜症発生につき、昭和四一、四二年当時において国立大学医学部附属病院医師に予見可能性があつたとして医師の過失等が認められた事例
□クロロキン網膜症患者に一五〇〇万円、両親に各二五〇万円の慰謝料請求が認められた事例
文書提出命令申立事件 名古屋高裁金沢支部 決定 79.2.15
□薬害訴訟において、第三者である医療機関の所持する患者(原告)の診療録に対する製薬会社(被告)からの文書提出命令の申立てが認められなかつた事例
□医師が診療録を作成する本来の目的は、診療の都度、患者の症状、治療行為の内容等を記録し、以後の診断、治療において思考活動の補助としてこれを用い、もつて診療の適正を期することにあると考えられ、医師法二四条、同法施行規則二三条が、医師に対し診療を行つた際に一定の事項を記載した診療録を作成することを義務づけているのも、その主眼とするところは、診療録が診療の適正化に資するものであることからこれの作成を制度的に義務づけることにあり、副次的に、患者自身の社会的権利義務に関係する事実の確認および患者と医師ないしは医療機関との間に後日生ずべき法的紛争の処理のための適確な証拠資料を保存することを目的としているものと解される。もつとも、診療録がその記載内容の性質上、本来の作成目的とは別に、患者、医師等診療行為の当事者以外の者に係る法的紛争においても、その者の法的地位の証明に役立つ場合のあることは否定できず、本件もその一事例であるが、それは結果として生じる現象というべきであり、そのことの故に診療録がその者の法的地位を証明する目的で作成されたものとみるのは相当でない。従つて、診療行為の当事者でないこと明らかな申立人にとつて本件診療録はその法的地位を証明する目的で作成された文書であるということはできない。
損害賠償請求事件 大阪地裁 判決 90.6.8
□薬品の副作用によつて薬疹、内臓障害を起こして死亡したとして製薬会社の不法行為責任が問われた事案につき、当該薬剤の投与と患者の死亡との因果関係が証明されないとして、請求が棄却された
□亡Sの当初の皮疹がA医師によつて投与されたセダペルサンチンにより発現した疑いがあるとしても、その後の九月二七日以降に発現した亡Sの皮疹、さらに亡Sが一〇月五日の下血を端緒として重篤な内臓障害を生じ死亡するに至つたことについて、これが当初の皮疹が重症化した結果であると認めるべき十分な客観的根拠はないといわねばならない。よつて、亡Sの死亡がセダペルサンチンを原因とするとは、本件証拠上認めることはできない。
損害賠償請求事件 横浜地裁 判決 88.3.25
□小児の咽頭炎等の治療中に投与した多種、多様な薬剤によつて劇症肝炎を招き、患者が死亡するに至つたが、医師に過失はないとされた事例
□小学六年の女子が医師の治療により過敏性薬物性肝障害による劇症肝炎によつて死亡した場合に医師に過失がないとされた事例
カナマイシン 東京地裁 判決 81.5.25
患者の難聴がカナマイシン難聴ではなく、従つて医師がカナマイシンを注射したとの事実の証明なしとして、患者の請求を棄却した事例 判時1023号69頁、判タ446号148頁
ミオブタゾリジン 福岡地裁小倉支部 判決 80.11.25
□厚生大臣は、医薬品の製造承認に際し、あるいは製造承認後においても、医薬品の安全性確保のため副作用の認識・予見に努め、かつ副作用が認識・予見された場合には適切な結果回避措置をとるべき注意義務を薬事法上負うとされた事例
□医薬品はその有効性と安全性の比較衡量の上で有用性が決せられるものであり、それは高度の専門的技術的判断に係るから、厚生大臣が医薬品の安全性確保のためにいかなる措置をとるべきかはその裁量にゆだねられており、したがつて厚生大臣の安全性確保に関する措置は、それが社会通念上著しく不当で裁量の範囲を逸脱したものと認められる場合にのみ、右注意義務に違反した、違法、有責なものとなるとした事例
□筋弛緩、鎮痛剤「ミオブタゾリジン」の投与を受け薬物性劇症肝炎により死亡した訴外人の遺族からの損害賠償請求につき、厚生大臣の薬事法上の注意義務違反を否定した事例
ストマイ副作用(全ろう)事件控訴審判決 東京高裁 判決 81.4.23
第一審昭和53年9月25日東京地裁判決昭46(ワ)8141号等
□製薬業者が、その製造販売に係る医薬品に添付した効能書にその副作用の一部についての記載をせず、かつ、その副作用が一過性のものでないことを明示しなかつた行為と、医師によつて右医薬品の投与を受けた患者に発現した副作用による後遺症との間に相当因果関係があるとされた
ストマイ副作用(全ろう)事件第一審判決 東京地裁 判決 78.9.25
控訴審昭和56年4月23日東京高裁判決昭53(ネ)2460号
□ストマイの使用上の注意事項に関する添付文書の記載の仕方について製造業者に義務違背があり、義務違背と副作用の発現との間に因果関係があるとされた
□ストマイの副作用に対する国の措置に違法がないとされた
□厚生大臣がストマイの使用につき、医師法二四条の二所定の指示をしなかつたことが違法ではないとされた
□結核予防法は、国及び地方公共団体が結核患者の医療に直接関与することを予定しておらず、医療の主体は指定医療機関であるとされた
文書提出を命ずる決定に対する即時抗告申立事件 福岡高裁 決定 77.9.17
第一審昭和52年8月10日福岡地裁決定昭52(モ)1379号
□薬害訴訟において、医師が作成・所持している診療録が製薬会社の利益のために作成された文書(民事訴訟法三一二条三号前段)に当たるとした
□既に患者が自己の秘密である病名、症状を開示している場合には、特段の事情のない限り、医師は守秘義務を理由として右診療録の提出を拒否することができないとされた
損害賠償請求事件 東京地裁 判決 55.7.14
□点眼薬の使用により眼瞼白変症にかかつた場合と製薬会社の過失の有無(積極)
□グアフノフラシンを一回使用しただけで白変症を発することがあること、特異な体質でなくとも発生すること、それはアザ等に塗つても皮膚の部分が白くなりしたがつて白変する性質を持つていることが認められる。したがつて右グアノフラシンを点眼薬として製造販売するには、その性質を一層究明するとか幾多の実験を重ねる等の措置に出てたならば、製造販売を延期するとかして被害の発生を防止し得たものと認められる。しかし、証人A、Bの証言によれば、当時の文献にてはそのような被害の発生は記述されておらないし、又被告の製造販売に係る右点眼薬を使用した者が、相当の数に達するのに被害を受けた者として申出た者が極めて少なかつたこと等より、被告に過失を認めるにしても極めて軽度のものと認むべきである。